第2回目となる「ブックトークナイト@ブレス」。
初回は今年の春分の日に開催しましたので、
2回目は夏至の日にしようと、分かりやすさだけで決めていました。
会場はBook Cafe Breatheです。
本のご紹介をいただくスピーカーのみなさんは5名集まってくださいました。
「きっかけの本」をテーマに15分ほどお話いただきました。
トーク順にご紹介しますね。
(1) 普天間健さん
もてない男―恋愛論を超えて (ちくま新書)
小谷野 敦
http://www.amazon.co.jp/dp/
打楽器奏者としてご活躍の普天間さん。
じつは初対面です。
音楽家として、地元をもり立てる若者として注目していまして
知人を通じてご紹介いただきました。 子どもの頃は、本にあまり関心がなかったけれど
高校生になって、(課題かな?)
先生から本を選ぶように言われ、
書店で手にしたのが本書だそうです。
10代の多感なころの心情を
遠回しにせずストレートに表現されていたのが
印象に残っています。
恋愛論が切り口であることが
読むことのきっかけではあったけれども
「人」について考えるきっかけでもあり、
その後、海外で学ぶ機会や
社会で多くの人と協力する場面に出会うときに、
この本で考えたことが活かされているそうです。
(2)友利志麻子さん
海になみだはいらない
灰谷 健次郎
http://www.amazon.co.jp/dp/
アジアを歩く―灰谷さんと文洋さんのほのぼの紀行
灰谷 健次郎
http://www.amazon.co.jp/dp/
本好き・映画好きの志麻子さんには、ありんこや写真展はもとより
常日頃ものすごくお世話になっています。
進路に迷っていた高校生のころ、
続けていたスポーツではなくて「保育」を学ぶことを選んだのは
灰谷健次郎さんの作品に出会ったことがきっかけとのこと。
紹介したかった本命の「海になみだはいらない」が
何故かみつからなくて、図書館も休館で
今回は手元にあった著作をお持ちくださいました。
「アジアを歩く」は巻末に灰谷さんの「遺言」があり、
朗読いただきました。
その音感がいまでも耳に残っています。
(3)天久雅人さん
存在の詩 和尚 OSHO
バグワン・シュリ・ラジニーシ
http://www.amazon.co.jp/dp/
なんと、スピーカーに立候補参加の、天久さん。
(会場であるブレスのオーナー様です。)
「順番をくじで決めましょう、不確実性の話をしますから」
と事前にメールをいただき、
いったいどんな展開になるやらとわくわく。
数日前の朝に起きたハプニング、
宮古で出会った不思議なひとたち....
偶然や縁が重なるような体験をすると、
人ってどうしても「意味を求めようとする」もの。
どうしてこんなことが起きるのか、
何かメッセージがあるんじゃないか、
のような。
でも、それらは本当に「偶然」で
それぞれにつながりや意味なんて、
無いんじゃないか。
と、バシッと締めくくられました。
天久さんは、ライブや展覧会など
多くの企画をてがけてらしゃるので、
機会をうまくひきよせることことを意識されてるのかなと
勝手に私はとらえてましたので、驚きの展開。
でも、はっとしました。
天久さんのお話は、心構えとしていただきました。
(本の話はほとんどなかったような....。)
(4)川上良絵さん
げんきなマドレーヌ
ルドウィッヒ・ベーメルマンス
ルドウィッヒ・ベーメルマンス
ガダラの豚
ぶどう酒びんのふしぎな旅
http://www.amazon.co.jp/dp/
ありんこ文庫企画の「物語と音楽の夕べ」
で、朗読者としてご出演いただいたこともある良絵さん。
学校や書店、イベントでの読み聞かせや
作詩、ラジオ出演などご活躍です。
絵本、児童書をたくさんお持ちくださいました。
一冊一冊、ご紹介いただくのですが、
「この絵がね、いいでしょう」
「絵がすてきで」
「絵がとってもいいの」
とちゅうで、ご自身もハッとされてましたが、
「絵」に惹かれるのですね、良絵さん。
美しい本を選ぶ、ってすてきな視点だなあ
と思いました。
心が豊かになりますよね。
話しながら、自分のことをみつけてゆく
良絵さんの表情や雰囲気の変化が
とーっても良かったです。
(5)頭木弘樹さん
変身
フランツ・カフカ
http://www.amazon.co.jp/dp/
『絶望名人カフカの人生論』
『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』の編訳者です。
ブログ→http://ameblo.jp/kafka-kashiragi/
宮古島にいらっしゃるきっかけは、
ネフスキーの著作だったそうですが、
や は り!カフカを持ってきてくださいました。
10代のころに、読書感想文の課題で
本を読む必要にかられて選んだのが、「変身」だったそうです。
(「変身」を選んだ経緯が面白い、というよりも意外すぎ)
文学によって現実を知ることができる。
絶望をあつかう文学は、現実の暗闇の中を照らすようなもの。
昔話、口承の物語、落語に話題をふれながら、
短い時間に壮大な広がりを感じさせる文学についてのお話でした。
「もっとお話を聴きたい」の声をいただいてましたね。
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きっかけ、をテーマにしたのは
なんとなくの思いつきではあったのですが、
10代に出会った本、出会った経緯が
その後の人生の針路となっているような体験談を
伺って、あらためて子どものころの出会い(本も人も)の大切さを思いました。
おたがいにほとんど初対面なのに
とても親しみのある空間、時間でした。
楽しかったですねー。
第3回は、秋分の日を予定しています。
1回目のようす。
http://arincobunko.blogspot.jp/2015/03/blog-post_22.html