2015年6月25日木曜日

【開催しました】6/22夏至の日のブックトークナイト


第2回目となる「ブックトークナイト@ブレス」。
初回は今年の春分の日に開催しましたので、
2回目は夏至の日にしようと、分かりやすさだけで決めていました。
会場はBook Cafe Breatheです。

本のご紹介をいただくスピーカーのみなさんは5名集まってくださいました。
「きっかけの本」をテーマに15分ほどお話いただきました。

トーク順にご紹介しますね。

(1) 普天間健さん
もてない男―恋愛論を超えて (ちくま新書)
小谷野 敦
http://www.amazon.co.jp/dp/4480057862

打楽器奏者としてご活躍の普天間さん。
じつは初対面です。
音楽家として、地元をもり立てる若者として注目していまして
知人を通じてご紹介いただきました。
子どもの頃は、本にあまり関心がなかったけれど
高校生になって、(課題かな?)
先生から本を選ぶように言われ、
書店で手にしたのが本書だそうです。

10代の多感なころの心情を
遠回しにせずストレートに表現されていたのが
印象に残っています。

恋愛論が切り口であることが
読むことのきっかけではあったけれども
「人」について考えるきっかけでもあり、
その後、海外で学ぶ機会や
社会で多くの人と協力する場面に出会うときに、
この本で考えたことが活かされているそうです。



(2)友利志麻子さん
海になみだはいらない
灰谷 健次郎
http://www.amazon.co.jp/dp/B00MQJYJKU

アジアを歩く―灰谷さんと文洋さんのほのぼの紀行
灰谷 健次郎
http://www.amazon.co.jp/dp/4777908925

本好き・映画好きの志麻子さんには、ありんこや写真展はもとより
常日頃ものすごくお世話になっています。

進路に迷っていた高校生のころ、
続けていたスポーツではなくて「保育」を学ぶことを選んだのは
灰谷健次郎さんの作品に出会ったことがきっかけとのこと。

紹介したかった本命の「海になみだはいらない」が
何故かみつからなくて、図書館も休館で
今回は手元にあった著作をお持ちくださいました。
「アジアを歩く」は巻末に灰谷さんの「遺言」があり、
朗読いただきました。
その音感がいまでも耳に残っています。


(3)天久雅人さん
存在の詩 和尚 OSHO
バグワン・シュリ・ラジニーシ
http://www.amazon.co.jp/dp/483970001X

なんと、スピーカーに立候補参加の、天久さん。
(会場であるブレスのオーナー様です。)
「順番をくじで決めましょう、不確実性の話をしますから」
と事前にメールをいただき、
いったいどんな展開になるやらとわくわく。

数日前の朝に起きたハプニング、
宮古で出会った不思議なひとたち....
偶然や縁が重なるような体験をすると、
人ってどうしても「意味を求めようとする」もの。

どうしてこんなことが起きるのか、
何かメッセージがあるんじゃないか、
のような。

でも、それらは本当に「偶然」で
それぞれにつながりや意味なんて、
無いんじゃないか。
と、バシッと締めくくられました。

天久さんは、ライブや展覧会など

多くの企画をてがけてらしゃるので、
機会をうまくひきよせることことを意識されてるのかなと
勝手に私はとらえてましたので、驚きの展開。
でも、はっとしました。
天久さんのお話は、心構えとしていただきました。

(本の話はほとんどなかったような....。)



(4)川上良絵さん
げんきなマドレーヌ 
ルドウィッヒ・ベーメルマンス

サンドリヨン 

シャルル ペロー そややすこ訳


ハンカチの上の花畑
安房 直子
http://www.amazon.co.jp/dp/4251063627

ガダラの豚

ぶどう酒びんのふしぎな旅
藤城 清治
http://www.amazon.co.jp/dp/4061324241

ありんこ文庫企画の「物語と音楽の夕べ」
で、朗読者としてご出演いただいたこともある良絵さん。
学校や書店、イベントでの読み聞かせや
作詩、ラジオ出演などご活躍です。

絵本、児童書をたくさんお持ちくださいました。
一冊一冊、ご紹介いただくのですが、
「この絵がね、いいでしょう」
「絵がすてきで」
「絵がとってもいいの」
とちゅうで、ご自身もハッとされてましたが、
「絵」に惹かれるのですね、良絵さん。

美しい本を選ぶ、ってすてきな視点だなあ
と思いました。
心が豊かになりますよね。

話しながら、自分のことをみつけてゆく

良絵さんの表情や雰囲気の変化が
とーっても良かったです。


(5)頭木弘樹さん
変身
フランツ・カフカ
http://www.amazon.co.jp/dp/4102071016

『絶望名人カフカの人生論』
『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』の編訳者です。
 ブログ→http://ameblo.jp/kafka-kashiragi/

宮古島にいらっしゃるきっかけは、
ネフスキーの著作だったそうですが、
や は り!カフカを持ってきてくださいました。

10代のころに、読書感想文の課題で
本を読む必要にかられて選んだのが、「変身」だったそうです。
(「変身」を選んだ経緯が面白い、というよりも意外すぎ)

文学によって現実を知ることができる。

絶望をあつかう文学は、現実の暗闇の中を照らすようなもの。
昔話、口承の物語、落語に話題をふれながら、
短い時間に壮大な広がりを感じさせる文学についてのお話でした。
「もっとお話を聴きたい」の声をいただいてましたね。

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きっかけ、をテーマにしたのは

なんとなくの思いつきではあったのですが、
10代に出会った本、出会った経緯が
その後の人生の針路となっているような体験談を
伺って、あらためて子どものころの出会い(本も人も)の大切さを思いました。

おたがいにほとんど初対面なのに
とても親しみのある空間、時間でした。

楽しかったですねー。


第3回は、秋分の日を予定しています。


1回目のようす。

http://arincobunko.blogspot.jp/2015/03/blog-post_22.html