2014年1月26日日曜日

ありこのおつかい




ありんこ文庫へ2冊の絵本をプレゼントいただきました。
宮古島でトークイベントを開催したので、そのご縁です)

石川直樹さんといえば、エベレストをはじめとする極地への旅、
民俗学や人類学をベースとする取材姿勢や作品などのイメージが強かったので、
ご自身から「ぼく、絵本好きなんですよ」と伺ったときに、超・びっくりしました。
びっくりしませんか?意外です。
(ファンの方には常識事項かもしれません。勉強不足ですみません)

よくよくお話を伺うと、子どもの頃の読書体験が
今の旅を中心とするライフスタイルにつながっているそうで、
たとえば、急行「北極号」を読んで北極にでかけることを決めた、
などのエピソードもいただきました。

私は絵本は好奇心のトビラだー、などと吹聴しておりましたが、
程度の差こそあれ、多くの方は経験される普通のことと思うのですね。
でも石川さんの場合はトビラ全開!みたいに突き抜けていて、次元が違う。
世の中にはすごい(面白い)人がいらっしゃるものです。

さて、いただいた絵本について。

富士山にのぼる
子ども向けの写真絵本です。
とても感覚的、身体的な表現が印象深いです。
感性をひらいて富士山にむきあい、戯れる。
読者の子どもたちの手をひいて、遊びに行こう!って誘ってるような楽しさ。

「みなれた姿の中にしらないことがたくさんある」
という一文がとってもいい。

富士山にのぼることも、日々のルーチンの日常もおんなじで、
感性をひらくことで面白いことが見つけられる。
生きていることを実感できる。
そのようなメッセージとして受けとりました。

ありこのおつかい
なんて洒落の効いたセレクト!
タイトル見た途端、おかしくてすごく笑ってしまいました。
でも著者名を見てびっくり!石井桃子さん!!

石井桃子さんは東京こども図書館の礎となった
「かつら文庫」創設者です。

ご著書「子どもの図書館」を読んで感銘を受けたことが
ありんこ文庫をつくろうと思った原点でした。

敬愛する石井桃子さんが「ありんこ」が主人公の絵本を作っていたなんて大感動。
石川さんにこの話はしていません。
ホントに偶然に「ありこのおつかい」はありんこにやってきてくれたのです。
神棚作って置きたいくらいの気持ちですが、
それでは本来の絵本としての使命を全うできないので普通に本棚に置きます。

石川直樹さん、ありがとうございました。